ホピ子製作日記:公開 #10

スーパーGT開幕戦・岡山、昨年の夏以来8ヶ月ぶりに、サーキットに、レースにホピ子が戻ることができました。 本当に、本っ当にありがとうございましたm(__)m

どんなにお礼を言っても言い足りることはありませんし、これからどうやってご恩をお返ししていいかもわかりませんが、とにかく皆さんに繋いでいただいたこのご縁を途切らせないように、走り続けていきたいと強く思っています。

ここからは、ここまでの私自身の思いについて、話させてください。

振り返ると、2023年8月6日の富士でのあの悪夢のような光景から、2024年4月14日の岡山で、決勝のチェッカーを受けるまでの間の252日という時間は、本当にたくさんのことを私に経験させてくれました。

最初はとてつもなく辛く、苦しく、真っ暗な暗闇の中を彷徨う時間と、どん底の景色しかありませんでした。たくさんの皆さんが手を差し伸べてくれても、心はどこかそれを受け入れないような…。そんな時間がすごく長くあったのですが、でもある時、もう白旗を上げようと、これまで足掻いてきたけど一度諦めようと、そんな決断をしてからは心にへばり付いていた重石のようなものが剝がれていく感覚を覚えて、だんだん心が軽くなってきました。それと同時に見えてきた光と、新しく見えてきた景色は、どこに向かっていたのか分からない自分に、はっきりと「ここに向かっていけばいいんだよ」という道しるべをくれたように感じました。

本当に大変でしたが、今となってはこの経験ができたことは自分の人生にとってハイライトとなるでしょうし、この経験を、そして学ばせていただいたことを支えてくださった皆さんにお返ししていかなくてはと思ってます。

そして今、サーキットに帰ってくることができ、レースができるということが嬉しくてたまりません。もともとレースが大好きで、サーキットにいることが大好きで、そんな自分を近年忘れかけていたように感じることもありましたが、改めて自分はレースが大好きなんだなって思い出させてもくれました。

そんな風に思えたのも、皆さんの支えがあったから。そして、一緒にこの荒波の中の航海を進んでくれる仲間がいたからです。

「次代を担う若い職人を育てる」というテーマを掲げて活動を続けていますが、この苦しさを共に乗り切って、何度も何度も壊れたクルマを直し、さらに綺麗に機能的にアップデートしながら、自らも成長していくことに妥協せずに、ここまで来てくれた仲間のみんなを本当に誇りに思います。みんながいなければ、クルマを自分たちで作ろうとは思わなかっただろうし、親父たちの作ってきたモノつくりのレーシングカーの文化を守ることもできなかったと思います。本当にみんながいてくれたからこそ、ここまで来れました。

開幕戦でチェッカーを受け、ホピ子がさらに進化を遂げ、ポテンシャルがあると感じられましたし、それを成し遂げたみんながいれば、これからもずっと続けていけると思いました。いえ、続けていかなければならないと、強く、責任を感じたというほうが正しいかもしれません。まさしく彼らは日本のモータースポーツ界の宝です。化け物級の職人である土屋春雄をずっと見続けてきた私だからこそ、分かることがあります。彼らがいてくれれば、まだまだモノつくりレーシングカーの文化は続いていきます!

このことこそが、我々がこの活動をする意義であり、社会の中での存在価値だと考えています。レースの世界は瞬時の判断が必要であり、養われます。また、人の命を預かる仕事でもあります。普段感じることのない1/1000秒を削り取っていく作業を、毎日コツコツと丁寧に積み重ねていくことが必要な仕事です。この環境の中で、他では得られ難い、人が育つ環境があることこそがレースが社会に貢献できる大きな存在意義の一つだと私は考えています。

実際、私自身も今回のかけがえのない経験により、人として大きく成長できたと感じています。うちのみんなももちろん多くの学びを得ることができました。この活動を支援していただいた皆さんにも、何かしらのパワーをお送りできたのではないかと思っています。

こうやって、エナジーを共有できる場がレースの世界にはある。レーシングチームをやること、続けることは本当に大変で苦しいことのほうが多いですが、頑張っていると頑張った分だけ “たまに” とてつもない大きなご褒美がもらえたりします。大変なことに挑戦すればするほど、大きな喜びがその先に待っている。今回は、その経験をさせてもらえました。このことを皆さんにご報告したいですし、この経験をさせてもらえたことに感謝しています。

本当に、大変でした・・・(^-^; 

でも、頑張ってよかったです!

TVプログラムの「はじめてのおつかい」で女の子が辛くて泣いちゃうんですが、泣きながらも自分自身に「がんばるほうが、いいんだよ」って、自分を励ますシーンがあるんです。辛いとき、私もいつもこの言葉を思い出して自分に言い聞かせています。

やっぱり、がんばってよかったです(^^)

本当にありがとうございました!!

そして、「ホピ子復活プロジェクト」はひとまずこれにて終了させていただきます。

ただ、我々には「25PRIDE サポーターズクラブ」というチームをサポートする団体もありますので、是非引き続き、我々プライベーターの奮闘をフォローいただきたいですし、サポートもしていただきたいと思っています。

ただ、まだ2024年度のサポーターズの募集は始めていません。このプロジェクト終了後にスタートさせようと考えていましたが、まだ内容の構築を練っている最中ですので決まり次第、今後の展開についてご案内させていただきます。

本当にここまでありがとうございました。
これからも皆さんの想いと共に走り続けます!
それではまた!!

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